N744ST / Tanker944、米国内にて運用開始
Global SuperTanker LLCの保有するB747-400空中消火機が米国内で運用を開始しました。
これまで米国森林省(以下USFS)からの認可が下りず、米国内での山火事の消火活動には参加できませんでしたが、2017年7月25日にUSFSから消火飛行の認可が降りました。
そして8月28日、カリフォルニア州中部で燃え広がる大規模な森林火災への投入が要請され、サクラメント市のMcClellan空港から同機による米国内初の消火ミッションへと飛び立ちました。
Global SuperTanker社の運航する機体はB747-400型機を改造したもので、ボーイングのハウスカラーをモチーフにした美しい塗装が施されています。(画像は2017年6月に認可取得に向けた試験飛行を行うためCA州モハーベ空港を訪れた時のものです)
Tanker944と指名を受けたこの機体、現在運用されている空中消火機の中では世界最大です。これまで747型機が空中消火機として運用されたのは2009年、エバーグリーン社によるものでした。同社は現在は倒産し、Global SuperTanker社が技術を引き継ぎ、新型の747-400型機に改造を施しましたTanker944が運用されるまでは、10Tanker Air Carrier社の運用するDC-10が最大でした。そのDC-10が搭載できるのは11,600ガロンですが、Tanker944は19,200ガロンを搭載することができます。Global SuperTanker社はTanker944を、「1ガロン単位では最も安上がりな空中消火機」だとしています。
Tanker944はこれより州や国の要請に応じて消火活動を行う契約がすぐに結べる態勢が整いましたので、要請が出たら出動する予定です。定置空港はコロラドスプリングス空港ですが、山火事の状況によって実際の定置場所は転々とするかと思われます。同機の撮影を試みる場合は山火事の動向をよく考慮に入れる必要があります。
さて、このTanker944、以前は日本航空で活躍していたJA8086です。日本で飛んでいた、もしかするとあなたも乗った事があるかもしれないジャンボが世界で空中消火のために使われる事になるとは予想する方は少なかった事でしょう。因みに日本エアシステム/ハーレクインエアで活躍していたJA8550(DC-10-30)も、10Tanker Air Carrierにて元気に活躍しております。